鈴まろの備忘録

日々感じたことなどを綴るブログです

事務職、飽きた! ケーキ店に勤めた思い出

事務職、飽きた! お菓子の店で働きたい!!

 事務職で働いていた私、何だかとても空しく思えてきました。代わり映えのしない作業を10年近く続けていると、疑問に思えてきます。

このまま、なぁ~んにも変わらず、終るのかなぁ、、、と。

 不安定な生活は、ストレスも溜まり、更に止めどなく不安が押し寄せてきますが、ちょっと変わりたい、変化が欲しいと思う気持ちが止められない私は、年齢や体力的にも、もう無理かもしれないと思ったのですが、どうしても菓子屋で働きたいと考えるようになりました。

 当時、つまらない平凡な生活を変えようと、趣味でお菓子教室に5年間通っていて、ある程度作れるようになっていたので、洋菓子店に就職したい気持ちが強くなり、自分の好きな地元のケーキ店に「アルバイトで良いので働かせて下さい、このお店のスポンジが大好きなんです!」とお願いし、お店に入れてもらいました。 今、考えると無謀だし、恥ずかしいです。

そんな訳で、自分の大好きな地元のケーキ屋で働くことになりました。

 クレープの焼き方の基本はあるけど、菓子屋は菓子屋の方針で動いている

  朝7時半の出勤でしたが「わたし、ケーキ屋に勤めているんだ!」と思うと、本当に嬉しくてたまりませんでした。 朝一番の作業は、いちごのショートケーキ用のイチゴを沢山スライスする事から始まりました。隣では、年齢はかなり下の先輩が、スポンジに生クリームを塗っていて、羨ましかったです。 そして運が良かったのか、すぐにクレープを焼かせてもらえることになったのです。

 レシピを教えてもらうのは、基本1度だけで、メモ帳は手離せません。そして初めて、クレープを焼いた時に「焼き加減が違う!」と言われ、全部ごみ箱に捨てられました。

 私は、クレープは網目模様の焼き方が良いと勝手に思い込んでいたので、レシピを教えてもらった時に、焼き色を見ていなかったのです。生地を無駄にしてしまったことを猛省し、次からは、お店のクレープを焼けるようになりました。

 ほとんどが、年下の先輩達でしたが、意地悪されなかった事は良かったです。あまりにも年が離れていたので、ライバルにもならないと判断されていたのかもしれません。そして「技は、盗んで覚えろ」的な時代でしたので、パティシエ同士は、あまり仲良くはなかったと思います。専門学校を出た人もいましたが、センスのない人は、そのまま埋もれていきます。厳しい業界でした。 

 お菓子教室の頃は、デコレーションのペース配分なんて考えませんでしたが、お店となると「時間内で素早く、丁寧に仕上げなくてはならない」ので、難しかったです。 

 

写真のクレープ生地のように、網目模様の焼き色を付けるとおこられました

これは「ミルクレープ」なので、網目模様があるのが良いケーキです

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自分を演じなさいと言われた

 作業場は、ガラス張りでお客さんから丸見えなので、緊張していました。

あまりにも緊張してしまうので、チーフに緊張しないコツがあるのか聞いてみたところ、「パティシエとして作業をしている時は、好きなパティシエを思い浮かべて、演じているんだよ」と教えて下さいました。

 自分を客観的に観ることが出来るようになったのも、チーフのひとことがあったからだと思います。 度胸がついたのか、自分の気の持ちようで何とかなるし、何とか出来ると思えるようになりました。

 ちなみにチーフは、当時、まだ日本ではブームが来る前のパリの『ラデュレ』で修業を積んできた方でした。 すごいっ!田舎の菓子屋なのに!

ラデュレのお菓子レシピ

ラデュレのお菓子レシピ

 

 

出来れば働きたくない、しんどいし。でも、がんばっている自分を観たい。

働くのは精神的に疲れるけれど、社会に出て戦っている自分が、かっこよく思える事があります。

 私は、転職すると業種を変えるので、様々な会社を見てきましたが、業種は変わっても、疑問に思うことは同じ、そして隣の芝生は青く見えるものです。 それから、つくづく思うのですが、人生、何があるか本当にわからなくて、やっぱり嫌な事も多々ありますが、楽しい事も結構あります。

  がんばる自分も好きだし、好きな事に没頭する自分も好きです。色々な自分を観たいから、がんばっています。毎日の出来事は、将来の自分の何かに繋がっている気がしてならないのです。

明日もがんばります!